1 Min. Book Reviews

1分で読める書評ブログ

ファイナンスこそが最強の意思決定術である|ファイナンス入門|正田圭

意思決定とファイナンス

ファイナンスっていうと、外資系の投資銀行とかM&Aを手掛けてる人達の専門分野のイメージ。 ということは、ファイナンスを知ってると稼げる。

皆、「大きなお金に関わる意思決定を行う(あるいは、それらの意思決定に関わるアドバイスを行う)職業」なのです。

ということだそうです。

なので、皆ファイナンスが分かればお金が稼げるようになるぜ!稼ごうぜ!ということでした。

①ファイナンスで意思決定することは、値段で考えることであるため、比較できる。 ②意思決定は日々連続的に行われるものであるため、ファイナンス力を磨いて意思決定力を高めると、乗数効果的に成果が出る。 ③ファイナンスは、時間価値を考慮している唯一の技術である

なんだそうです。

日々の買い物で何を買うのか、買いたいものにはそれだけのお金を払う価値があるのか。

自分の時間をどこに投資するのか。勉強するのか運動するのか飲みに行くのか。

そういうことを日々ちゃんと意思決定できれば、いつのまにかすごくなってるぜ!ということらしいです。

ファイナンス入門書というか概念的な

1章から6章まであるんだけど、正直3、4、5だけ読めば良い感じであった。

ファイナンス基礎というよりは、ファイナンスを身につけるとこんないいことがあるよ、逆にない人には将来こんな脅威があるかもよ、という考え方が書かれてる感じです。

ファイナンスこそが最強の意思決定術である。

ファイナンスこそが最強の意思決定術である。

過度な承認欲求は現代病なのか?「認められたい」の正体

最近、他人から評価が気になるような感じがしたので、読んでみた。

近代社会の価値観

とりあえず、今の時代には「社会全体で共有されている価値観」がないから、人は他人から承認されているか不安になるらしいです。

昔は、例えばキリスト教や日本だと封建制度的なものが、「こうあるべき」「こういうことをしている人が偉い」ということを定義していて、皆それを疑うことなく信じていた。なので、それに沿って生きていればよかった。

残念ながら(?)、近代化で人は自由を手に入れた代わりに、そういう共通の価値観が無くなってしまい、何をすれば他人から承認されるのかわからず不安になるということです。

要はこういうことですかね。

人間は自由な選択が可能な状況でも、自分一人で考え、自分の判断で行動することに不安を感じ、他人の言動に従いやすい面がある。それは私たちが求めること、行動することが、あまりにも他人とかけ離れてしまい、誰もふりむいてくれなくなったり、嫌われたりすることが怖いからだ。

身近な人からの承認

著者は特に家族とか友人とか学校とか、身近の人からの承認を求めることが、特に不安を生むらしい。というのも、本来は「ありのままの自分」を受け入れてくれるはずのコミュニティで、「承認されたい!」と思いすぎてしまうと心休まる場所がなくなってしまうから。そりゃそうですよね。

社会のルールや価値観からは解放されても、身近な人間関係の目に見えない縛りに、それと気づかれないまま繋がれているからだ。

結局どうすればいいのか

で、最終的に承認不安から抜け出すにはどうすればいいのかというと、

必要なのは、他者への同調をやめ、他者の高速から解放されること以前に、まず自分でどうしたいのかをよく考え、納得し、答えを導き出すことにほかならない。

ということらしいです。

自分の中で納得感を持っていれば、他人に何か言われても揺らぐことはないだろうということですね。

まぁ結局、皆そんなに自分以外のこと気にしてないしな。

「認められたい」の正体 ― 承認不安の時代 (講談社現代新書)

「認められたい」の正体 ― 承認不安の時代 (講談社現代新書)

ジョブ理論ーイノベーションの鍵は顧客の片付けたいジョブにある

久しぶりに面白い本であった。 「イノベーションのジレンマ」の著者ハーバードビジネススクール教授クリステンセン氏による最新刊。

「ジョブ理論」とは

「ジョブ理論」というのは、今までのマーケティングで使われてきたような顧客属性(性別・年齢・年収・居住地域など)からプロダクトを売るのではなく、「顧客が片付けたいジョブ」に基づいてプロダクトを売るべきだという話。

顧客が片付けたい「ジョブ」の定義が、ジョブ理論の根幹にあって、

顧客はある特定の商品を購入するのではなく、進歩するために、それらを生活に引き入れるというものだ。この「進歩」のことを、顧客が片付けるべき「ジョブ」と呼び、ジョブを解決するために顧客は商品を「雇用」するという比喩的な言い方をしている。

と定義されている。

なんのこっちゃという感じだけど、本書の中の例として出てくるのは、

  • 退屈な車通勤中に、小腹を満たしかつ運転の邪魔にならないものを食べたい → ミルクシェイク

  • 今日中に部屋の中の家具を一通り揃えてしまいたい → IKEA

  • 一人暮らしの人が健康(と口うるさい母親)のために、野菜を手軽に取りたい → V8という野菜ジュース

とか。

野菜ジュースの例でいうと、今までの考え方だと清涼飲料水のカテゴリの中で勝負してしまうが、ジョブ理論の考え方だと「野菜を手軽に取りたい」人がターゲットになるから、野菜を買う人・サプリを買う人にまでマーケットが広がると。 逆に、いくら高機能であっても、顧客が片付けたいジョブに合わないとまったく売れない。

「ジョブ理論」の先

おそらく重要なのは、「ジョブ理論」で成功した先で、著者も述べている。

そして、最初の成功をもたらしたジョブへのフォーカスを失う。さらにまずいことに、多くの顧客向けに多くのジョブを片付けようとすれば、顧客は混乱し、本来、ジョブを片付けるのに適さないプロダクトを雇用し、のちに苛立ってそのプロダクトを解雇することになる。

一つがうまく行くと、余計な機能を追加したり、「○○プラス」とか「○○2」とか派生商品を作ったりしがちだけど、そんなことをすると顧客が混乱しちゃうよと。自ら負け戦を始めてるようなもんだそうです。

マーケティングというよりは、ビジネス全般に役に立ちそうな本。

ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)

ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)

  • 作者: クレイトン M クリステンセン,タディホール,カレンディロン,デイビッド S ダンカン,依田光江
  • 出版社/メーカー: ハーパーコリンズ・ ジャパン
  • 発売日: 2017/08/01
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログ (1件) を見る

効果的な利他主義のすすめ|あなたが世界のためにできること

この本を読んでもっと人にやさしくなりたいと思って読んだ。

www.1mbr.net

効果的な利他主義とはなんだ?

利他主義とは何かというと

自己の利益よりも、他者の利益を優先する考え方。対義語は利己主義。

だそうです。いいじゃないですか。人に優しく自分に優しく的な。

そして、「効果的な利他主義」というのは

「私たちは、自分にできる<いちばんたくさんのいいこと>をしなければならない」という考え方

だそうです。

たとえば同じ金額を寄付するなら、5人の命が助かる方より50人の命が助かる方に寄付しようぜ!ということらしいです。確かにそうかもしれないですね。

この論理でいくと、アメリカの貧困層の生活向上のために寄付金を使うよりもアフリカの最貧困層の命を救う方に寄付金を使うべきとなるらしい。

エクストリーム・チャリティー

で、こういう人が「効果的な利他主義者」だよという例が出てくるんですが、その人たちがエクストリーム。

たくさん寄付したいから高収入の金融機関に勤めたり、収入の半分の寄付したり、自分の腎臓の片方を臓器提供しちゃったりしています。

1つ目がぎりぎり理解できるとして、腎臓の寄付ってすごい。腎臓は2つあるから片方なくなっても大丈夫だし、移植手術もほぼ失敗しないらしい。だからってしないけど。

ここまで頑張るのは使命感みたいなものもあるけど、充足感もあるかららしい。結局自分のためにお金を使っても一時的な満足感しかなくて、辛くなる。でも他人のためにお金を使うと充足感が得られて、またやろうと思うらしい。

著者は最後に

効果的な利他主義を実践している人の大半はまだ腎臓を二つとも持ち続けていて、収入の半分ではなく一割程度を寄付していることを、強調しておきたいと思います。

と言っていますが、いやいや一割もだいぶ多いよ?と思ってしまった。

もうちょっと初心者にやさしい方法を教えて欲しかった。こういう考え方するからだめなのか。

あなたが世界のためにできる たったひとつのこと 〈効果的な利他主義〉のすすめ

あなたが世界のためにできる たったひとつのこと 〈効果的な利他主義〉のすすめ

2030年ジャック・アタリの未来予測|21世紀の天才が予想する未来とは?

「フランスの超天才」ジャック・アタリさん

フランスNo.1のエリート校(ENA)を卒業し、大統領の特別補佐官にもついたことがあるらしい、ジャック・アタリさん。

政治・経済・文化に精通し、ソ連の崩壊、金融危機、テロの脅威、ドナルド・トランプ米大統領の誕生などを的中させた。

らしいです。 今のマクロン仏大統領を見出したのは、この方らしい。

悲観的か、楽観的か

過去に比べて良くなったこと、逆に悪くなったことが、だだーっと書き連ねられているのだけど、 例えば、最貧困層の数は減ったとか平均寿命が上がったことがいいこと、高齢化だったり気候変動が悪いこと、のような感じで、 まあ人類が増えると両方の側面があるよね、と思った。

悲観的に捉えるのか楽観的に捉えるのかで、ずいぶん将来への見立ても変わってくると思う。

しかしながらジャック・アタリさんは悲観的で、どうやらこのままの状態でいると、2030年には世界的な戦争か金融危機が起きてやばいことになるらしいです。 なぜ、そのような悲劇が起こるのかというと、「富の偏在」が進むことで中産階級以下の人々が不満を抱え怒り狂ってしまうかららしい。

利己的な人間

どうやら人間は相当に利己的な人間だとジャック・アタリ氏は認識しているようで、特に現代では利己主義が蔓延しているらしい。 そんなにひどい人間ばかりじゃないはずだ!と思いたいけど、現実を見てみるとあまり自信ない。確かにそうかもしれない。

で、その悲観的な未来を変えるためには利己主義ではなく、利他主義になりましょうとアタリ氏は言っています。

自分のためじゃなく、他人の幸せのための生きましょうと。まあそれはそうしたいですよね、なるべく。

2030年ジャック・アタリの未来予測 ―不確実な世の中をサバイブせよ!

2030年ジャック・アタリの未来予測 ―不確実な世の中をサバイブせよ!

【書評】暇と退屈の倫理学|退屈は不幸なのか?刺激がある方が幸せ?

暇じゃないけど退屈だ。暇だし退屈だ。

「そもそも退屈とはなんなのか?」「退屈から逃れることはできるのか」などなどの疑問を、哲学的に解説している本。

著者も本の中で

暇があるとか、退屈できるなどとはなんと贅沢なことよ。そんなことを考えている暇(!)があったら、今労働者が強いられている非正規雇用という問題を考えるべきだ、と。

と言ってるけど、誰でも「なんか暇だな」とか「なんか退屈だな」と思ったことはあると思うんですよね。

一応「暇」と「退屈」は別モノとされていて、暇=時間的なもの、退屈=製品的なもの、となっている。

だから、毎日仕事が忙しくても「なんとなく退屈だ」と思ってしまう人もいると。

退屈だから事件を求めている

こういう考え方って現代っぽい。 たぶん、毎日同じ時間に会社に行って同じ仕事して同じ時間に帰るサラリーマン、みたいなイメージ。

だから人は刺激を求める。簡単な刺激だと、ちょっとTVでやってたレストランに行くとか映画見るとか。 ただ、こういう刺激は一方的に与えられるものだから、退屈を解消してくれることは少ない。

「退屈だなー、明日電車事故起こさないかなー、地震でも起きないかなー」と思ってしまうらしい。刺激を求めるというか、事件を求めるらしい。なんか映画の冒頭シーンにありそう。

で、どうすればいいのか?

結論として、どうすればいいのか、というのはこの本の中では語られていない。 筆者も最初からこの本に結論はないと言っています。

結局、人間は現代的な生活をしていると「退屈」になるようにプログラムされているらしい。「退屈」を感じたときに、各々がどういう「刺激」を求めて行動するのかも、各々で違う。

だから、それぞれ考えていきましょうね、という普通の結論になってしまいました。

暇と退屈の倫理学 増補新版 (homo Viator)

暇と退屈の倫理学 増補新版 (homo Viator)

AIがベストと判断したSF小説─『ザ・サークル』

ザ・サークル

ザ・サークル

以前読んだ『ベストセラーコード』でAIが選んだベストな1冊がこの本だった。実際、売れているらしく映画化もされている(エマ・ワトソン、トム・ハンクス主演、日本公開は10月)。気になって読んだ。

Googleの資金力、FacebookのSNS、AmazonのEC網、Appleのプロダクト力みたいなヤバイ会社「サークル」の中でのお話。過剰なテクノロジーの進歩や過度なソーシャルのつながりっていかがなもんでっしゃろ?という問題提起をしている作品(たぶん)。

すべてが正確にトラッキングできるカスタマーサポートシステムとか、究極のマッチ度を誇るデーティングアプリとか、2年間受電なしで8K品質の動画を配信し続けるカメラとか、いろいろぶっ飛んでるモノが出てきますが、あと20-30年したら実際に出来てきそうで微妙に怖い。SF度絶妙。

発明ってのは望む・望まないに関わらず不可逆なものだなあというのをすごい思った。ケータイを作ったら休日にうざい上司から電話がかかってくるようになるし、SNSが発明されればうっとしいと思いながら上司の投稿にいいね!をしないといけないのですよね。なんかすごい上司に悩まされてるみたいですけどそんなことないですよ。原爆とかも作っちゃたら使っちゃうしね。

高校(高専)生のとき技術倫理って授業があって、技術者にはパターナリズム(父親のように考え本当には発明するべきかどうか考えること)が必要だって習いました。そんなことを思い出した一冊。

AIがベストだと判定したということでえらく期待して読んだのだけど展開がダラダラしていてあんまりだった。ベストセラーコードに書いてあった「テーマに一貫性があり、ストーリー(プロット)にメリハリがあって、読みやすい文体で、主体性のあるキャラクターが主人公である」という条件にはまあまあマッチしている感じもあったのだけど、やっぱり翻訳が入るとダメなのかも感?読む価値はある。